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エッセイ 育児と絵本

たんぽぽの日々 俵万智

『俵万智の子育て歌集 たんぽぽの日々』

光彩の美しい写真を背景に浮かぶ、短歌とエッセイ。

子育てをテーマに綴られた素敵な歌集でした。

 

2022年の朝ドラ『舞い上がれ!』でちょっとした短歌ブームがおきましたね。私もドラマを見ていて、詩っていいなぁと改めて感じました。

「短歌にしたら、一瞬が永遠になるんやんな?」

主人公の舞ちゃんのセリフにもあったように、写真や映像では決して保存できない心の機微までも、詩は純度そのままにパッケージしてくれます。

「短歌作るってことはな、誰とも違う自分がここにおるでって胸張ることやねん」

貴司くんのこのセリフもとても印象的でした。自分の気持ちにぴったり合う言葉を見つけること、それはつまり、自分で自分を理解することなのだと教えられました。

読んだ感想

最後とは知らぬ最後が過ぎてゆく その連続と思う子育て

この短歌を新聞かなにかで読んだとき、わ!まさしくこれだ!と気持ちが高ぶりました。そして、俵万智さんの短歌をもっとよみたい、子育てを知りたいと思い、この歌集にたどり着いたのです。

この歌集を読んで改めて感じたことは、子育てというのは、まさに移りゆく時間を過ごすということです。明日にはまた少し賢くなってしまう我が子のトンチンカンな発言は、今日しか聞けないものかもしれない。そんなふうに、この瞬間が大切なんだ!ということを身に染みて感じるようになりました。

自分の時間をほしくないかと問われれば 自分の時間をこの子と過ごす
自分の時間のつかいみちとして、子どもと過ごすことを、この人生で選んでいる。しかもそれは無限に続くものではなく、「たんぽぽの日々」なのだ。そんなふうに発想を変えるようにした時から、ずいぶん楽になった気がする。

俵さんのこの考え方は心にストンと落ちました。

息抜きももちろん必要だけど、子どもの世話をすることで自分の時間が奪われていると考えるのはちょっと哀しい。遠く過ぎ去ったあと、この時間がいかにかけがえのないものであったかを痛感するのは目に見えているのだから。

子どもが泣き喚いて、どうしようもない時は私はこう考えます。

自分は今人生の終わりに立っていて、神様がもう一度懐かしい時間を味わわせてくれている。それが今なんだと。

そうすると、泣き喚く我が子も愛しく思え、大きな気持ちで子どもに向き合えます。

成長していく我が子の姿だけでなく、子どもがいるからこそ見える景色、芽生える気持ち。そういうことも自分の言葉で残しておきたいと感じた一冊でした。

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