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ビジネス書

スマホ脳 アンデシュ・ハンセン

スマホ依存が問題視されはじめた昨今、私も自分事と受け止めつつも、そもそもスマホ依存の何が問題なのか理論的に説明できる自信はありませんでした。ただ何となく、電車のなかで大半の人々がスマホをいじっている光景を異様に思ったり、ネット情報を見ているうちに時間が過ぎていくことに罪悪感を感じたり、そういう曖昧な不快感だけでした。

そんなとき、この『スマホ脳』が話題になっていると知り、一度読んでみることにしました。

書いているのはスウェーデンの精神科医であり、前作の『一流の頭脳』が世界的ベストセラーになった、アンデシュ・ハンセンという方です。この『スマホ脳』では脳のつくりを根拠に、スマホ依存が私たちに及ぼす影響を理論的かつ科学的に説明しています。

私がこの本を読み衝撃を受けた最大の事実。

それは、私たちが好んでスマホに夢中になっているわけではなく、スマホのあらゆるコンテンツ自体が、”脳が依存性を発症するしくみを利用し開発されている”ということです。

私たちは娯楽ですら、もはや自分の選択ではなく、最先端を行くIT企業のビジネスにコントロールされているのです。その巧みな仕掛けはどうぞ本を手に取って読んで見てください。

さて、本題に戻ります。そもそもスマホ依存の何が悪いのか。

この本を読むに、私は大まかに次の3つがスマホ依存がもたらす悪影響だと思いました。一つはストレス増、次に睡眠障害、そして、集中力低下。SNSで友達の投稿にやきもきし、夜になっても目はブルーライトで冴えわたり、やるべきことを後回しにどんどん新しい情報に目移りしていく日々。今の時代、誰にでも経験はあるのではないでしょうか。この3つの悪影響に関して、本書では様々な実験データを根拠に詳しく説明しています。

ジェラシーや不安、好奇心。あらゆる”感情”という名の脳の判断は、人類が歴史上、生存競争に負けないために備えつけた脳のしくみです。(この歴史的かつ生物学的観点からみる脳のしくみが実におもしろいので、ぜひ多くの人に読んで見て欲しいです。)およそ1万年から変化していない人間の脳のしくみは、ここ数十年に急速に広がったデジタル社会との相性が悪く、このミスマッチが私たちの身体をベストコンディションから遠ざけているのです。

とはいえ、現在の時代に生きている以上、スマホないしネットを一切断つというのなかなか難しいことです。だからこそ、大切なことはまず、スマホに依存性があることを認識することだと思います。そして、それがどういう理屈で起こるのかも理解しなければなりません。

こんな小さな機械にコントロールされる人生はもったいないです。あくまでも自分の生活を便利に、そして本当の意味で充実した日々をおくるために、上手にスマホを使っていきたいです。

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