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ビジネス書

会計は一粒のチョコレートの中に 林 總

林 總 さんといえば、ベストセラー作品『餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか? 』でお馴染みの会計の達人です。ちなみに、我が家は著者の『正しい家計管理』も家計簿の作成の参考にしております。

さて、私は会計に対してすごく興味はあるものの、いざ必要な場面では結局スッキリと理解できず、毎度もどかしい気分になります。そういうときは、いつも会計を扱った小説を読み、ストーリーを楽しみながら、会計の大枠を掴むことにしています。

そのなかのオススメがこの本。『会計は一粒のチョコレートの中に』です。

主人公が妹のために窮地に立たされた赤字経営の会社を再生させるストーリー。舞台が菓子メーカーであるというところも硬すぎずいいです。

とりあえず、この本に詰まった会計・経営のエッセンスで私なりに大事だと思うところをメモしておきます。

会社の真の目的は「利益の最大化」ではなく、「顧客の創造」。
『プロダクトアウト』ではなく、『マーケットイン』が大事。つまり、企業側の都合により売れるモノ、技術のあるものだけを生産し販売するのではなく、顧客視点で商品の企画・開発を行い、提供していくというもの。
物知りと頭の良さは別物。知識を使って『何をなすか』を考えることが大切。
『ビジネスとは何か』ーそれは専門知識を商品を通して価値に変えること。
パレートの法則=物事を構成する要素は正規分布ではなく偏りがあり、一部(20%)が全体の大部分(80%)を占めるというもの。
期間利益追求の固執が経営判断に重大なマイナスの影響を及ぼす場合あり。「企業の経済活動は半永久的に継続するもの」という大前提を忘れてはいけない。
コストは”直課”でなければならない。”配賦”基準を作った段階で担当者の主観が入り込んでいる。
あらゆる商品・サービスにはマーケット上の寿命があることを知り、それぞれが現在どのステージに立っているかを認識する。そうすることで、自ずと力をいれるべき商品・サービスが導き出される。
経理部は金庫番ではなく、経営情報を経営者・管理者に伝え、ともに原価を改善し、利益を増やし、顧客満足に貢献する一翼を担っている。

とにかくストーリーは単純。味方と敵もはっきりしていて飲み込みやすい。そして、会計知識、経営ノウハウのポイントを各セクションごとに解説してくれているところが良点です。

これ一冊で会計知識が身につくことは決してないですが、会社経営における会計の役割とその重要さがよくわかり、入門書としては良い本だと思います。

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