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エッセイ

おつかれ、今日の私。 ジェーン・スー

2人目の育休中にラジオやポッドキャストを聞くようになり、スーさんの番組に流れ着きました。

何気ない雑談や悩み相談の回答まで、彼女の話にどうして魅了されるのでしょう。

一番の理由は、ふわふわと巡る思考やモヤモヤと惑う不満を見事に言語化してくれるところにあると思います。

スーさんの絶妙な言い回しに、わかる、わかる!と頷いたり、こんな風に考える人もいるのかと関心を抱いたり、その一連の心の動きは私が読書に求めるものとも似ています。

そんなスーさんの言葉を今回は初めて文章として読んでみました。

『おつかれ、今日の私』です。

どんな内容?

誰にでも
ねぎらわれたい夜がある

つい頑張っちゃう人
必携の書をお届けします

今日の疲れは、今日のうちにさよなら
自分を慈しむセルフケア・エッセイ48篇

と帯に紹介されているように、頑張る私に優しく語りかけ、ふんわり包んでくれるようなエッセイ。

と言いつつ、偏りのある社会の風潮について考えさせられたり、気づけなかった今ある幸せを認識させられたりなど、そっと視界を広げてくれる不思議な一冊でした。

読んだ感想

流れるような語り口調の文章がとても心地よい。

そのまま声が聞こえてくるようです。

さて、本書に限らずですが、スーさんが持ちこむテーマは日常から引っ張り出されるものが多い気がします。

雑談中に誰かがこぼした一言がヒントとなり、「それってどういうことだ?」と咀嚼され、次に展開されていく。”解像度を上げる(高める)”という表現をスーさんはよくしますが、自分自身がどこまで明瞭に物事を見ようと意識するかで、捉え方は大きく変わっていくことを教わりました。

本書のなかで心に留まったのは、「必要とされている」と「利用されている」の違いについての章。こちらが相手に与えたときに、自分の持っているものが増えたと感じるか、心が削られていると感じるか。そこにひとつの判断基準があるのでは?とスーさんは考えます。

例えば、充実感や達成感を味わっている仕事だけど、評価や報酬が見合わないとき。あるいは、家庭のために費やす時間や労力を家族がもう当たり前のように受け取るようになったとき。

「自分がやらなきゃ!」と思い込み突っ走ってきたものの、心が疲弊しているなら、つぶれてしまう前に、冷静に自分を見直す必要がありそうです。

他人には優しくできる人でも、自分のことになると案外厳しい基準を置きがち。

自分を労わり、慈しみなさい。

そんな風に、隣の人がそっと声をかけてくれているような感覚に陥る本でした。

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