第二子妊娠中に母からもらった本。
さくらももこさんの『そういうふうにできている』。
妊娠発覚から出産までの実体験を綴ったエッセイです。
出産後に始まる怒涛の日々に上書きされ、記憶が薄れてしまう“十月十日”という特別な期間。
私は幸い一人目も二人目もつわりはほとんどなく、逃げ出したいほどつらかった記憶はありませんが、自分の身体が自分だけのものではないというのは、身体的にも精神的も不自由な毎日で、幸せだけに包まれた時間!とは当然いきませんでした。
けれど、やはり出産後の「この子がお腹にいたのか!」という感動は大きなもので、その感動を知る二人目妊娠中は初めてのときよりもお腹にいる小さな命をより愛おしく感じたような気がします。
さてさて、このエッセイ。そんな千差万別のマタニティライフを面白をおかしく描きながらも、生命の誕生とその親の感情を冷静に俯瞰している視点が興味深い。
妊娠から出産、さらに子育てには自分の思い通りにならないことがほとんど。
それでも、「そういうふうにできているんだなあ」とある程度受け流しながら向き合うことで、子育てがもっとおもしろくなるんじゃないかと、心がちょっと軽くなる一冊でした。
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