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小説

ここだけのお金の使いかた アミの会

本屋さんでふと目に留まり、『ここだけのお金の使いかた』を読みました。

お金小説流行ってますね!生活感漂う話ってやっぱりおもしろい。

7人の作家の短編集ですが、どれもそれぞれの特徴があり充実した本でした。

どんなおはなし?

給料は安いし、貯金も少ない。ムダなお金は、1円だって払えません! 誰しも余裕のない時代だからこそ、何にいくら使うかで人生はきっと変わるはず。ゲーム課金はいくらまで? 百万円の宝くじが当たったら夫に言う? どうすれば働かずに生きていける? 7名の人気作家が「お金」にまつわる悲喜こもごもを描く、短篇小説アンソロジー。(本書裏表紙より)

読んだ感想

改めて、お金の使い方って生き方だなぁと実感。

学生か社会人か、そして独身か既婚か、子持ちか、、などいろんなライフステージの変化とともに変わっていく価値観。そこに各々の趣味趣向が混ざり合うのが人生。いまお金をかけたい対象は何かと問われると、本当に千差万別です。だからこそ、他人のお金の使い方は興味深いのかもしれません。

心に残ったのは『わらしべ長者のつくりかた』のなかの友人のおじいちゃんの言葉。社会に出れば理不尽な世の中をただ嘆きたくもなるが、見方を変えれば学べることはたくさん。会社を利用しながら、学び続け、そして自分が夢中になれるものを見つけていけばいいと孫たちに説きます。会社という組織に従事するのではなく、自分の人生のステップに利用してやれというエールはグッと背中を押してくれます。

本作に出てくるのは現状に不満を持ったり、自分に自信がなかったりと色々くすぶっている主人公たちです。人生を変えるのは決して大金ではなく、手元にあるお金をどういう風に使おうかと考えたり、それを行動に移す時間だと思いました。そして、最後に人の心を救うのはお金ではなく、誰かの言葉や寄り添いなのだと感じさせてくれる温かい物語ばかりでした。また、コロナ禍という今の時代をリアルに反映している物語も多く、さらに現実感が増す内容でしたね。

本作の著者である「アミの会」というのを私は初めて知りましたが、実力派女性作家集団として、いろんなテーマでこのような本を出しているようですね。メンバーは、新津きよみさん、大崎梢さん、永嶋恵美さん、福田和代さん、図子慧さん、松村比呂美さん、原田ひ香さん(今回はゲスト)です。

個人的には、大崎梢さんの文章がとても好みだったので、大崎さんの作品をこれから読んみたいと思います。

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