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ビジネス書

限りある時間の使い方 オリバー・バークマン

『限りある時間の使い方』を読みました。全米ベストセラーの話題の本のようですね。

よくある”効率的な時間の使い方”のハウツー本ではなく、時間そのものの捉え方を考えさせられる内容でした。

「生産性とは、罠なのだ」というメッセージが衝撃的です。

心に留めておきたいことをメモ

章ごとにハッとさせられる箇所がいくつもありました。なかでも大事だと思った部分がこちら。

やるべきことはいつだって多すぎるし、これから先もそれはきっと変わらない。そのなかで心の自由を得るための唯一の道は、「全部できる」という幻想を手放して、ひと握りの重要なことだけに集中することだ。(P56)
むしろスムーズではない日々の手応えこそが、人間関係を深め、心身の健康やコミュニティの健全さを保つ鍵ではないだろうか。(P65)
選べなかった選択肢を惜しむ必要はない。そんなものは、もともと自分のものではなかったのだ。ー(略)ー本当はなかったかもしれない貴重な時間の過ごし方を、自分自身で選びとった結果なのだから。(P87)
「何が起ころうと気にしない」生き方とは、ー(略)ー 未来をコントロールしたいという執着を手放そうということだ。そうすれば不安から解放され、本当に存在する唯一の瞬間を生きられる。つまり、今を生きることが可能になる。(P146)

本書には問題提起だけでなく、有限性を受け入れるためのテクニックが紹介されています。どれも現実的なもので、試す価値ありそうです。

この本を読んで思うこと

我々の生活は様々なデジタルツールや電化製品によって、時間も手間もかからないものになりつつあります。しかし、便利になった分、求められるハードルは上がり、得られるはずだった時間のゆとりはまた別のタスクに奪われてしまいます。「生産性は罠だ」と説く著者の考えは私自身も身にしみて感じます。

イントロが待てない、映画も倍速で視聴。

最近の若者に広がるタイムパフォーマンス重視の流れには寂しさを感じます。

限られた自分の時間を充実させたいと焦るあまり、興味のあることさえ深く味わうことができなくなっているのではないでしょうか。

本書を読めば、時間をコントロールしようとすることの無謀さに気づかされます。

時間は使うものではなく、自分自身の体験そのものにあると著者はいいます。限りある人生のなかで何もかもをやろうとするのではなく、大事なことを選びとり、今ここにいる自分と向き合うことが大切です。

理想とのギャップや不安な将来に焦燥感を駆られることは、大事なことを先送りにし、逆に”現実逃避”ともいえるという考えに行きつき、とてもおもしろい発見でした。

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