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自分の時間を取り戻そう ちきりん

子どもが生まれてから圧倒的に自分の時間が減りました。「自分の時間」と一口に言っても様々ですが、好きなことに打ち込む時間、特に私の場合は本をじっくり読む、ということが難しくなりました。本屋も以前のように周回しながらじっくり吟味するという夢のような時間は本当に夢になりました。育児をしている以上どうしようもないことですが、やはり自分のなかに不満があるからなのか、この本のタイトルが目につきました。

ちきりんさんの『自分の時間を取り戻そう』。

”社会派ブロガー”として人気のちきりんさん。私はこれまで知らなかったのですが、ブログやツイッターではとても支持者が多く、本も何冊も出版されている方のようですね。

本を読んでみて納得です。

とても論理的で合理的。現代社会を俯瞰したうえで、個人が生きぬく術が語られ、そこには根性論も綺麗ごともなく、ただただ本質を突いた問題提起があるのみです。

残業ばかりで限界の管理職、家庭と仕事の両立に悩む母、働きづめのフリーランス、会社が伸び悩んできた起業家。この本のなかで例として挙げられたこの4人の生活ぶりは、いまの日本の典型的な”追われる社会人”です。

一生懸命やっているのになぜこんなに忙しいのか。

その答えはすべて「生産性」にあると著者は言います。そう、この本はひたすらこの「生産性」について語られている一冊なのです。

ヒト、モノ、カネをもっと有効的に使おうとする流れにある現代社会では、インプットをいかに少なくし、アウトプットをいかに大きくするかが大事になってきます。

同じようによく使われるワードとして「効率化」もありますが、「効率化」がひとつの結果をいかに少ない手順で済ませるかに対して、「生産性」は一つの手段でいかに大きな結果を生み出せるか、というニュアンスがあるように思います。解釈の違いではありますが、私はこれまで仕事においても家事においても、手順を減らす「効率化」は意識していたものの、結果を最大化にしようという視点がなかったなと気づかされました。

そして、この「生産性」をテーマにした本書のなかで私がもうひとつ教えられたこと。

それは時間」も大切な資源である、ということです。

時間は限りがあるものと頭では分かっているし、いつも時間がない!と嘆いているくせに、私たちはお金を節約するためにわざわざ時間がかかる方法を選んだり、悪気もなく他人の時間を奪ったりしています。お金のように残高が見えやすいものではないゆえに、私たちは「時間の消失」に鈍感であると筆者は指摘します。確かに自分に置き換えても「30代のうちにこれはやりたい」や「子どもが親と過ごしてくれる時間ってそう長くはないだろう」などと考えてみると、時間がとても大切な資源だということを実感します。そうすると、豊かな時間を過ごすための手段としてお金をかけることも決して贅沢というわけではないことが分かります。お金や時間は単に節約すればいいものではなく、いかに有効的に使うかが人生の豊かさを左右する大きな鍵となるのです。

筆者はほかにも希少資源として、集中力や健康を挙げており、大して大事でないものや大きな結果をもたらさないものに、これらの希少資源を投入するのは勿体ないといいます。本書で紹介していた、”集中力ややる気があるとき用のTo Doリスト”と”そうでないとき用のTo Doリスト”を用意しておく、というのも非常に画期的だと思いました。

といいつつ、私はなんでもかんでも「効率化」、「生産性」という類で片づけることは好きではありません。回り道、長い過程にこそ味わえるものも多くあることを知っています。しかし、それにはやはり心の余裕が必要なわけで、その心の余裕を得るにはまず多忙すぎる生活から抜け出さなくてなりません。やりたいこととそうでないこと、自分にとって大事なこととそうでないこと、これらを明確にして自分の大切な資源を何に使うかを慎重に考えたいと思います。「生産性」という判断軸で取捨選択していくと、自分の仕事の仕方や生活のおくり方が大きく変わっていきそうです。

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