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博報堂スピーチライターが教える 5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本  ひろたよしあき

今回はこちら。『博報堂スピーチライターが教える 5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本 』をご紹介します。

この手の本はタイトルに惹かれて買ってみても、中身には当たりはずれがあるものです。しかし、今回は当たりでした。「言葉の力」を高めるために、日頃からどういうことを意識すべきかが明確になりました。本書では大きく分けて、頭の体操、考える習慣、論理的発想、表現力、説得力のステップで全25のメソッドが紹介されています。

さらに構成として、口下手に悩む主人公がことばのプロである先生から助言を受けながら成長していくという、ストーリー仕立てになっており、学ぶ側として感情移入しながら読むことができ、たいへん面白いです。

○○という考え方で仮説を立ててみる

考える習慣をつけるというステップで私が一番なるほど!と思ったメソッドがこの”仮説を立てる”という方法です。具体例として、老舗ホテルの復活劇が紹介されています。客層の大半が高齢者となってしまった老舗ホテルが「このホテルはディズニーランドという考え方」という切り口で再起を試みたところ、社員のアイディアが具体化、戦略化していき、見事、ファミリー層が集う大人気ホテルに生まれ変わったったというものです。

「○○という考え方」という”言葉の戦略化”により、自分なりの切り口が生まれ、そのコンセプトに付随する新しい発想やアイディアがどんどん浮かんでくるいうのです。これは仕事だけでなく、個人的に目標を立てるときにも使えそうですね。

「弁証法」で視野を広げてみる

弁証法とは、ある意見とその反対意見があるとして、そのどちらも切り捨てず、両者をすり合わせて”より高い次元の意見”を導き出すという考え方の型です。ドイツ哲学者であるヘーゲルが今から約270年も前に生み出しました。ざっくり言うと、”逆転の発想”とういうことですが、要は物事の良い部分だけを見てアイディアを膨らますのではなく、短所を長所に変えるような発想を打ち出すイメージです。そういう考え方をすることにより、視野が広がると同時に論理的にものを捉えられるようになるというのです。確かに日頃からこういう考え方をしておくと、相手の反論に対してもまごつくことなく、言葉できちんと返せるようになりそうです。

一息、40文字で伝える

文章を書くうえで、私が気をつけていることの一つに”リズム”があります。本書でもその点を指摘していました。相手にわかりやすく伝えるコツとしてよく言われているのが「短く伝える」ということ。果たして、その”短く”というのは一体どのくらいなのか。本書では「40文字」がひとつの基準と述べています。40文字というのが多くの人が一息で読めて、なんとか内容もまとめられる単位なのだそう。それ以上長くなると、全体的にだら~としてしまい、相手の頭に残りません。一息で語る感覚を身につけること、それが相手にわかりやすく、覚えやすい伝え方の秘訣のようです。

テクニックではなく、意識づけの問題だった

得るものがとても多かった本でした。本書は決して口が上手くなるテクニックを教えてくれるわけではありません。結局、思いをうまく言葉にできないのは自分の考えが足りないからです。楽な方、楽な方に思考が流れて、考えているようで考えていない、そんな場面がいくつも思い当たりました。自分の何気ない行動にも理由付けしてみたり、「やばい」で伝わってしまう場面でも頭のなかに自分の言葉を探してみる。そういう日々の意識づけが言葉にする力につながることを教わりました。そして、モノを多角的に見ようとする好奇心や相手を楽しませようとする気遣い、そんな心もまた、ことばに表れてくるのだと感じました。

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