小説

ツバキ文具店 小川糸

今日ご紹介するのは小川糸さんの『ツバキ文具店』です。鎌倉の四季とそこに暮らす人々の交流が丁寧に描かれており、とてもほっこりする小説です。

鎌倉の代書屋が紡ぐ大切な人へのの想い

言いたかった ありがとう。言えなかった ごめんなさい。 伝えられなかった大切な人ヘの想い。あなたに代わって、お届けします。 家族、親友、恋人⋯⋯。 大切に想ってっているからこそ、伝わらない、伝えられなかった想いがある。 鎌倉の山のふもとにある、 小さな古い文房具屋さん「ツバキ文具店」。 店先では、主人の鳩子が、手紙の代書を請け負います。 和食屋のお品書きから、祝儀袋の名前書き、 離婚の報告、絶縁状、借金のお断りの手紙まで。 文字に関すること、なんでも承ります。(本書裏表紙より)

手紙を書くということ

鳩子はお客さんの要望に合わせて手紙の代書をするのですが、その仕事内容はまさに職人技。まずはお客さんの願いをくみ取り、そして手紙を受け取る相手にまで思いをはせる。どのようなメッセージをどんな言葉遣いで書くかに悩み、どんなペンを使ってなんの紙に書くかを選別し、さらに切手にまでこだわる。LINEやメールとは違い、手紙を書くという行為には何段階も相手を思う手間があることに気づかされます。特別に気持ちを伝えるときには手紙を書きたい、そんな風に思わせてくれる作品でした。

ただただ字を書きたくなった

この小説を読んでいるうちに、自分も無性に字を書きたくなり、習字教室に通い始めました。真剣に書いてみても、すぐには思ったように美しい字は書けません。あぁ、子どもの頃にやっておけば・・と思ったりもしましたが、大人になった今だからこそ気づくこともあります。週に1度、仕事帰りに静かな教室で姿勢を正し、ただ真剣に字と向き合う、その時間はとても贅沢で充実したものでした。残念ながら妊娠を機に辞めてしまいましたが、また落ち着いた時間を確保できるときが来たら、ぜひ再開したいです。

鎌倉の空気を吸ってみたくなった

もうひとつ、この本を読んでやりたくなったこと。それは”七福神めぐり”です。物語のなかで、鳩子は仲良しのバーバラ婦人に誘われ、鎌倉の七福神めぐりに行くことになります。結局、悪天候のため2か所で断念してしまうんですが、そのワクワク感に刺激され、物語に出てくる寺社やお店を訪れたくなりました。そう、物語には実在するお店や名所がたくさん登場するんです。

そして、2年前の話になりますが、実際に鎌倉を訪れ、七福神めぐりも無事にコンプリートしました!

鳩子のそれから・・続編もあるんです

この物語には『キラキラ共和国』という続編も出ています。鳩子と新しい家族と暮らす日々が描かれており、引き続き鎌倉のゆったりとした時間を味わうことがきます。

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