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ビジネス書

苦手から始める作文教室 津村記久子

津村記久子さんの『苦手から始める作文教室ー文章が書けたらいいことはある?』を読みました。

10代向けの本であり、学校の課題等で作文に悩む学生を相手に、肩肘張らないスタイルで作文のコツ教えてくれるような内容です。

学生向けといっても、趣味や仕事で文章を書く機会がある社会人にも、とても参考になる内容だと思います。ネタ探しや話の膨らませ方、伝わる文章の書き方を誰でも実践できるレベルで教えてくれます。

特に津村作品のファンである私にとってはとても興味深い!毎度、津村さんの小説やエッセイ、新聞のコラムなどを読む度に、なんでこんなネタ思いつくの?なぜこの切り口?といつもその発想が不思議でたまらなかったのですが、この作文教室を読み、「なるほど、そういうふうに思考を発展させていたのか」とちょっとタネ明かしをしてもらった気分です。

さて、本の副題に「文章が書けたらいいことはある?」とある通り、津村さんは本書で作文の魅力についても語ってくれています。

「自分の考えたことを書き留める行動は、自分という人間を内側から支えることにつながる」と津村さんは述べています。自分という人間がどういう考え方をするのかは、なかなか自分でも掴めないもの。それでも、日々気に留めたことや感じたことをメモや文章で残すことで少しずつ自分が見えてきたり、あるいは、今の自分が考えていることが未来の自分を励ましたり慰めることがあるかもしれません。それは他の誰かに共感してもらうことよりも、ずっと自分を強くしてくれるはずだというのです。

この点に関してはとても共感しました。私もブログや日記で自分の考えや感想を文章に残していますが、たまに振り返ったときに「3年前の自分もこう思ってたのか」とか「私はやっぱりこういうことに興味があるのか」など、自分をかたどるものが見えてくる瞬間はとてもおもしろく、自分の信念みたいなものを太くしてくれます。

これからは津村さんのように、日常のくだらないようなこともメモしておくと、もっと自分の引き出しが増えておもしろそうだなあと思いました。

 

本書は10代の身近な問いと探求をテーマにシリーズ化されている「ちくまQブックス」から出ています。私はこの「ちくまQブックス」をこれまで知りませんでしたが、大人が見ても面白そうなテーマがたくさんあり、とても興味が湧いています!これを機に他も読んで見たいと思います。

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