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エッセイ 暮らし

私の生活改善運動 安藤茉莉子

安藤茉莉子さんの『私の生活改善運動』を読みました。

 

装丁もとても素敵な本です。

自分の生活を少しでも心地いいものへ。

そんな積み重ねが自分の人生をワクワクするほうに導いてくれるのかもしれません。

どんな本?

これは筆者である安達さん自身の生活改善運動を記録したエッセイです。

では、筆者がいう「生活改善運動」とは?

ータオルやシーツ、ゴミ箱、セーター、靴、家具など具体的なモノから、住居や仕事、人間関係など様々なレベルで、自分にとっての幸せが何なのかを探り、幸せにしていくための具体的な行動をとっていく。「これでいいや」で選ばないこと。「実は好きじゃない」を放置しないこと。(P10)

自分のしたいようにやればいいのだから簡単そうに思えるものの、今の時代だからこそ実は難しい。便利なものに溢れた現代は適当に、それなりに、衣食住を継続していくことも可能だからです。しかし、ふと立ち止まってみると、忙しい日々のなかで自分がおざなりになっているような感覚に襲われることはないでしょうか。

安達さんの実体験に共感しながら、自分自身を見つめ直すきっかけをくれる一冊です。

この本を読んで

普段から”断捨離”や”暮らしの改善”などのキーワードに反応してしまう私ですが、この本ももれなく私を刺激し、生活に影響を与えてくれました。

衣食住のなかでも、今回は「衣」の部分でとても感銘を受けました。安達さんは昔から服に興味はあったものの、自分に合う服が分からず迷走し、疲れ果てた末いつの間にか着るものに対して無頓着になっている自分に気づきます。しかし、ふとしたことをきっかけに服づくりの世界に足を踏み入れるのです。

生地選びから、型紙づくり、そしてミシンでの縫製。ひとつひとつ手間がかかる作業です。それでも、自分の手で服を作り上げていく工程は読んでいるだけでもワクワクします。

私も服を作りたい!

その気持ちが抑えられず、近所の裁縫教室を訪ねました。いきなり自分の服は難易度が高いかと思い、娘のワンピースを作ることに。目の前のことに集中し、丁寧に作業をすすめる行為がこんなにも気持ちいいとは!

自分の生活に必要なものを自分の手でつくる。本当に自分に合うものをじっくり選ぶ。そんなことがこんなにも心が満たされることなのかと、新しい世界を教えてくれたこの本に感謝です。

とはいえ、時間もお金も有限。自分の衣食住において、すべてを一気に見直すことはできません。限られた時間やお金を何にどこまで費やすか。それを見定めるためにも自分と向き合いながら、少しずつ生活改善運動を始めて見ようと思います。

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